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【安心して働くために】フリーランスでよくあるトラブルとその対策
【安心して働くために】フリーランスでよくあるトラブルとその対策
2024年11月06日
#トラブル

フリーランスとして業務委託で仕事を請け負う場合、企業と対等な立場で契約を結ぶことが一般的ですが、業務委託ならではのトラブルが発生することもあります。本記事では、フリーランスが経験しやすい代表的なトラブルとその対策について、実例を交えながら解説していきます。

目次
1フリーランスのトラブル件数
2報酬に関するトラブル
3契約内容に関するトラブル
4品質に関するトラブル
5発注キャンセルに関するトラブル
6権利関係に関するトラブル
7トラブル全般への対処法

フリーランスのトラブル件数

労働政策研究・研修機構によると、2021年から2022年に「フリーランス・トラブル110番」への相談が7000件以上寄せられており、うち32%が報酬未払いに関するものでした。

画像出典:労働政策研究・研修機構

フリーランスには、業務内容ごとに契約を交わす特性があり、労働基準法に基づく保護を受けられない場合が多いことから、報酬未払いのほかにも、契約の一方的な変更、発注のキャンセルなどのトラブルが発生しやすい傾向にあります。

こうしたトラブルが解決しにくい原因のひとつは、フリーランスが「労働者」として認められないことで、依頼主との交渉力の格差が広がっていることが挙げられます。以下に、よくあるトラブルの事例とその対策について解説していきます。

報酬に関するトラブル

報酬の関するトラブルは、フリーランスとして働く上で最も多いトラブルです。特に、契約時に取り決めた報酬が支払われなかったり、追加作業が生じた際に追加の報酬が認められなかったりするケースが問題になります。

トラブル例①

契約が終了した後、報酬の支払い日が過ぎても支払われず、委託主に連絡しても反応がないため、支払いが遅れたままとなっている。

対策

信頼できるクライアントなのかを見極める
案件を受注する前に、クライアントが信頼できるかを予め調査しておきましょう。たとえば、クラウドソーシングサイトを活用する場合、過去の取り引きに関するレビューなどをチェックしておきましょう。

催促状の送付
支払期限を過ぎた場合は、催促状を送ることが有効です。催促状には支払いの期日と、未払い分について支払うよう明記し、今後の対応についても記載します。催促状を送ることによって、委託主に支払う意識を促すことができます。

トラブル例②

契約時に見積もりを出した範囲外の作業が発生し、その作業の追加報酬を委託主に依頼したところ、委託主から「予算がない」と拒否された。

対策

見積もりの提示
契約時に、予算の範囲や料金に関する詳細な見積もりを提示し、追加作業が発生した場合の料金についても事前に説明をしておきます。

変更契約書の作成
業務内容が変更された場合は、必ず変更契約書を作成し、金額や納期の変更についても文書で明示しておくことが重要です。

契約内容に関するトラブル

契約時に依頼された業務の範囲を明確に把握していなかった場合、後で本来の契約内容以上の作業を依頼されることがあります。このような認識の違いから、予期しない作業負担が発生することがあり、トラブルの原因となります。

トラブル例

ウェブサイトの制作を依頼されたと思っていたが、納品後に「サイト運用や保守もお願いしたい」と言われた。契約時には運用保守について触れておらず、依頼主との認識にズレが生じ、対応方法について揉めることになった。

対策

業務範囲の明確化
契約時に、業務範囲を細かく定義し、具体的に「制作」「運用保守」「コンテンツ更新」など、各項目について明記することが大切です。もし、運用保守が含まれる場合には、納期や契約条件も明確に決めておくことが予防策となります。

追加作業の合意
制作のみを依頼された場合でも、依頼主が追加の業務を依頼してきた場合は、追加費用や作業内容について新たに合意を得ることが必要です。口頭だけでなく、文書にして確認を取りましょう。

品質に関するトラブル

業務委託では、フリーランスが納品した成果物の品質に対する評価が原因でトラブルになることもあります。成果物の基準が明確でない場合、委託主の期待とフリーランスが提供したものに差が生じ、クレームにつながることがあります。

トラブル例

Webデザインの業務を委託され、フリーランスが納品後に「イメージと違う」「修正が必要」といった指摘を受け、無償での修正を求められるケースがあります。

対策

仕様書や要件定義書の確認
契約時に、委託主の要望を詳細に確認し、納品基準や品質基準について合意しておきます。

改訂回数の明示
契約内容に、修正回数や追加費用について明示しておくことで、無限に修正を求められることを避けられます。

※補足情報
VTuber事業を行う大手企業が、キャラクターデザインのフリーランスに対して無償で243回の修正を求めた事例が報道されました。この対応は「下請法」に違反すると判断され、修正の負担を強いられたフリーランスの労働環境が問題視されました。【Yahooニュース, 2024

発注キャンセルに関するトラブル

フリーランスは他の仕事を断ってプロジェクトに専念することがありますが、途中で一方的に契約解除されると予定していた収入やスケジュールに大きな影響が出たり、次の仕事の予定を立てなければならない事態に発展します。

トラブル例

プロジェクトが1年かかると聞かされ、他の案件を断ってプロジェクトに専念していたが、半年後に突然「予算削減のため、契約を終了する」と告げられた。その結果、収入の計画が狂い、他の仕事を探さなければならなくなった。

対策

契約書で業務委託期間を定める
契約時に業務委託期間を明確に設定し、途中解約の場合の条件を取り決めておきます。中途解約が発生する場合は、一定の通知期間を設け、または残り期間相当の報酬を支払うことを契約に盛り込んでおくことがリスク回避につながります。

解約条項の整備
中途解約する場合には、理由を明記し、一定の期間前に通知することを義務付けるなど、解約に関する具体的なルールを契約書で合意しておくことが重要です。

権利関係に関するトラブル

契約時に、完成した成果物(キャラクターのイラスト等)の著作権や使用権について明確に合意していないと、納品後にクライアントとフリーランスの間で権利関係に関する争いが生じることがあります。特に、成果物を他のプロジェクトで再利用する場合など、どちらが権利を保持するかが重要です。

トラブル例

契約時に成果物の所有権や使用権についての取り決めがなかったため、納品後にクライアントがその成果物を他の場所でも使用したいと要求。フリーランス側がその権利を持っていると思っていたため、問題が発生した。

対策

権利関係を明確に設定する
成果物の所有権や使用権の取り決めを契約書にしっかり記載しておくことが重要です。例えば、どの権利がフリーランスに残るか、クライアントに譲渡されるかを明確にしておきます。

権利譲渡の詳細な取り決め
権利譲渡の範囲、再使用に関する制約、納品後の利用に関する条件なども契約書で定め、トラブルが発生しないようにしましょう。

トラブル全般への対処法

これまでに示したさまざまなトラブルの例と対処法を踏まえ、全体に共通する以下のポイントで備えましょう。

1. 契約内容の明示

「フリーランス保護新法」では、委託主はフリーランスに対して契約内容を明示することが義務付けられました。報酬額や納期、業務内容、必要な費用負担について事前に文書で明示することで、後々のトラブルを防止します。

フリーランス保護新法について詳しくはこちら

2. 信頼できる相手との契約

フリーランスとして仕事を受ける際には、依頼主が信頼できるかどうかが重要な判断基準です。初めて受注する場合は、必ずその相手(企業)の評判や過去の実績を確認してから契約を結びましょう。

3. トラブルに遭った際は一人で抱え込まず相談をする

解決が難しい問題は泣き寝入りせず、フリーランス・トラブル110番下請かけこみ寺などの公的機関に相談をしましょう。こうした機関は、契約やトラブル解決の専門家が対応してくれるため、適切なアドバイスを受けられます。自分一人で抱え込まず、早めに相談して状況を改善しましょう。

まとめ

フリーランスとして働く際は、契約内容を明確にすること、信頼できる相手と仕事をすることがトラブル回避の基本です。また、初めての相手と仕事をする場合は相手の評判を事前に調査するのが得策です。万が一トラブルに見舞われたら、一人で抱え込まず公的機関に相談し、安心して業務を続けられる環境を確保していきましょう。

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